【超ショートショート】それは運命かもしれない。

 

それは運命かもしれない。
そう思ったのがあの日。

私は何度もあの日に帰りたいと思った。

願ったけれども、時間は戻らない。

だけど、あの人は私の記憶の中で生きている。

年もとらずに永遠に。

毎年11月になると、年をひとつ重ねていくのが、

狂おしいほどつらい。

わたしもあの人と一緒に旅することができたら。

でもあの人は行ってしまった。

私と夢の中の”あの人"を置いて。

いつか戻ってくるだろう
という期待を持ちながら生きてきたこの10年間。

あの人は一度も、私の家のドアベルを鳴らすことはなかった。

だけど、ただ一度だけ。

あの人は帰ってきていた。
―私の夢の中で。

触れることがどんなにできたらよかったか。
あの人が知ることはないだろう。

わたしの中で勝手に美化された
あの人の面影を追いかけて。

私は信じている。
―彼が、もう一度私に会いにきてくれることを。

(完)

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ある小説の一部分を書き出しました。
本当はプロットを書き上げたほうがよいのですが、
大枠ができたので、その一部をちょっと書き上げました。

なんのこっちゃ?という感じですが。
まあ、こんなテイストでわたしの小説は書き上げています。